憲法改正法案の採決を11月に延期

(タイ)

バンコク発

2020年09月30日

タイで9月24日に予定されていた憲法改正法案の採決について、国会両院がそれに先立って憲法改正の是非などを検討する委員会を設置することで合意(注)したため、採決は国会が開会する11月に先延ばしとなった。

9月23、24日に憲法第256条の改正や憲法起草委員会の設置(2020年9月23日記事参照)などを含む6つの憲法改正法案を採決すべく、両院議会が開催された。しかし、与党の国民国家の力党(PPRP)所属議員のパイブーン・ニティタワン氏が、議論が尽くされていない状況で憲法改正法案を採択するのは時期尚早とし、上記の検討委員会設置動議を議会に提出、両院議員の賛成多数により承認(賛成432票、反対256票)された。これを受け、24日には与党および上院議員の委員31名で構成する検討委員会が設置され、30日間の検討期間を経て結論を出すこととなった。野党は検討委員会の設置に反対し、委員就任を拒否した。

タイでは、上記の議会プロセスに加え、5万人以上の有権者の提案によっても憲法改正を発議できると規定している。ウィサヌ・クルアガム副首相は、非営利の民間団体「iLaw」による憲法改正草案が約10万人の有権者の署名によって提出されたと述べた。この草案も含めて11月の国会で審議される見通し。

(注)委員会規則第121条は、法案の内容を事前に検討する委員会の設置に関する規則を定めている。

(ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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