北欧のテックサミットTechBBQ、オンラインで実施

(デンマーク)

デュッセルドルフ発

2020年09月25日

北欧のスタートアップイベントの1つ、テック・バーベキュー(TechBBQ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が9月17、18日に開催された。例年はデンマークの首都コペンハーゲンの会場で9月に開催されるが、2020年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となった。近年、北欧はテクノロジー・スタートアップでは注目されており、フィンランドのスラッシュ(2018年6月15日付地域・分析レポート参照)のほか、直近ではエストニアで開催されたラティテュード59(2020年9月2日記事参照)などがあり、日本での知名度も増している。

今回のTechBBQはスタートアップ企業によるピッチや、アクセラレーターの紹介、スタートアップ企業の経験談を共有するパネルディスカッションなどで構成された。例年どおり、ステージでの発表と並行してマッチングツールを活用した個別ミーティングも実施された。4つのデジタルステージで計60人を超える講演者が登壇したほか、80弱の企業のバーチャルブースが設けられた。デジタル先進地域として名高い北欧らしく、人工知能(AI)を活用したカンファレンスマネジメント兼マッチングツールのbrellaなど、デジタルツールを最大限活用して実施された。

北欧で注目の産業エリアのテック系スタートアップが集う

主催者の発表によると、事前登録者数は約2,600人で、北欧諸国を筆頭にドイツやイタリアなどの欧州全域からのスタートアップ企業、民間大手、アクセラレーターなどが参加した。日本やシリコンバレーなど欧州外からの参加もみられた。フィンテック、ヘルステック、ロボティクス、エンターテインメントやゲーム関連、アグリテック、エドテックなど、北欧諸国が得意とする産業分野でのテクノロジー・スタートアップが数多く参加した。

また、アジアとデンマークをつなぐスタートアップ支援組織イノベーション・ラボ・アジア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによるセッションも開催され、日本からの北欧への投資が急速に伸びていることを占めるデータの紹介や、レインメーキング(2019年4月8日付地域・分析レポート参照)など日本と北欧のイノベーションをつなぐ支援組織が生まれてきている状況が紹介され、発表者と聴講者間での活発な意見交換が行われた。イノベーション・ラボ・アジアのプロジェクトマネジャー、ピーター・ヨハンセン氏は「日本と北欧は連携の親和性が高い。今後、北欧スタートアップ企業の日本でのプレゼンス強化に努めたい」と期待を述べた。また、ジェトロが同氏に9月22日に実施したインタビューでは、「北欧は世界で最も活発なスタートアップエリアの1つ。政治的に安定し、高い技術を保有し、日本と同様の解決すべき社会課題も抱えている」と応じた。

(安岡美佳)

(デンマーク)

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