米加州で山火事による被害続く、都市部の大気汚染深刻に

(米国)

サンフランシスコ発

2020年09月14日

米国カリフォルニア州では、9月に入っても山火事の影響が続いている(2020年8月27日記事参照)。州消防局によると、9月13日時点で、年初から合計330万エーカー(約134万へクタール)以上が焼失し、山火事が深刻化した8月中旬以降、被害は死者22人、建物の破壊4,100件に上る。米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、サンタクララ郡やナパ郡などで発生している火災の鎮圧に向け、財政支援を発表している。

都市部では、煙による大気汚染が深刻になっている。直近(9月7日の週)の大気汚染の状況に関して、サンフランシスコを含むベイエリアの多くの地域では、「呼吸器障害などがない人も屋外での長時間にわたる活動を制限、あるいは避けるべきレベル」(6段階中、3番目に悪い)となった。日や時間帯によっては、より深刻な「呼吸器障害などがない人も屋外での全ての活動を制限、あるいは避けるべきレベル」(2番目に悪い)になる状況もみられた。ベイエリアでは9月9日、山火事による煙の影響で空が薄暗くオレンジ色になる状態が終日確認された。サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長は同日、自身のツイッターで「こんな光景は今まで見たことがない」と述べ、新型コロナウイルスの感染が続く中、新たな困難に直面しているとの見解を示した。

大気汚染を含めた山火事のビジネスへの影響について、ベイエリアの日系企業に話を聞くと、「在宅勤務を続けているため、現時点ではスタッフの業務に大きな影響はない」「念のため、山火事付近の仕入れ先の工場からの搬入は止めている」「山火事・大気汚染に対する特別な措置は取っていない」など、影響は限定的との声だった。

山火事は、カリフォルニア州以外の西部州でも発生している。オレゴン州では、北部やカリフォルニア州境などで90万エーカー以上(9月13日時点)が、ワシントン州では9月7~11日の5日間で、東部などで約63万エーカーが焼失した。ワシントン州シアトル市では煙による大気汚染もみられている。

写真 9月9日昼ごろのサンフランシスコ市内の様子(ジェトロ撮影)

9月9日昼ごろのサンフランシスコ市内の様子(ジェトロ撮影)

(石橋裕貴)

(米国)

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