新法に基づき非常事態から災害事態へ切り替え、制限措置の多くは継続

(モザンビーク)

マプト発

2020年09月10日

モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は9月4日、国民向け演説で9月7日午前0時から無期限の災害事態に入ることを宣言した。災害事態宣言は、3段階の警戒レベル(警戒度が高い順に赤、オレンジ、黄)が設定されており、今回の宣言は「警戒レベル赤」となる。8月5日に宣言された2度目の国家非常事態(2020年8月11日記事参照)は、9月6日午後11時59分に終了した。

演説では、非常事態に基づいて停止されていた、他国との査証免除協定は相互主義に基づき再開されると述べられた一方、マスク着用義務やバーの閉鎖など各種制限は継続され、国際線の運航も相互主義に基づき再開されると述べるにとどまり、再開スケジュールに関する具体的な情報はなかった。順守事項、制限措置の多くは非常事態期間中と同様の措置が取られるため、実質的には非常事態の延長とみることができる。

災害事態宣言は、2度目の非常事態期間中に議会が承認した「災害リスク管理・緩和法(2020年8月24日付法律第10/2020号)」によって、新しく導入された政府の災害管理対策だ。同法は、非常事態による新型コロナウイルス対策措置の経験を基に、従来の災害管理法(2014年6月20日付法律第15/2014号)に代わるものとして制定された。憲法において、非常事態は1つの事案につき1度と規定されており、感染拡大状況などの点で今般の非常事態の1度目(4月)と2度目(8月)が異なる事案とみなせるか、国内では論争もあった。同法の制定により、憲法解釈議論はひとまず落ち着くとみられる。

モザンビーク保健省によると、2020年9月4日時点の累計感染者数は4,265人(検体数10万1,888件)となっている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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