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ECDC、最新のリスク評価と非医薬的措置に関するガイドラインを公表

(EU)

ブリュッセル発

2020年09月28日

EUの専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)は9月24日、新型コロナウイルス感染に関する最新のリスク評価結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。欧州全域で8月以降、感染者が漸次的に増加傾向にあり(注)、高齢者の感染者が増加した結果、入院者や重症者が増加している国が多いと警告した。要因の1つとして、夏の間、各国で制限が緩和されたことで、何をすべきかが曖昧になり、感染予防を徹底しない人が増え、非医薬的措置(non-pharmaceutical interventions)が期待されている効果を上げていないとした。

同結果を踏まえてECDCは、欧州各国〔EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)と英国〕の保健当局向けに、非医薬的措置に関するガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。手洗いや他人との物理的距離の確保など個々人に対して奨励される対策から、接触人数の把握やイベント参加者の人数制限、在宅勤務の推進といった、国・地域またはコミュニティーレベルで実施されるものまで、さまざまな非医薬的措置を検証し、状況に応じて取るべき対応や考慮すべき点を示した。

国ごとに異なる制限が混乱を引き起こしていると指摘

ガイドラインでは、国によって制限や政府の勧告が異なることが人々の混乱を生んでいると指摘し、その一例として、人の移動に関する制限を挙げた。ECDCによると、欧州では29カ国が2020年1月以降、渡航者・入国者に対する制限措置を実施し、また17カ国が国境封鎖に踏み切った。新型コロナウイルス感染症が最初に発生した中国・武漢市からの入国者を制限したことは、一部の国で感染者の発生を遅らせたものの、こうした制限措置の効果は限定的だったと分析した。また、国外への渡航制限は永続的に実施できず、人々の行動の変化にはつながりにくい一方で、渡航制限は大きな社会、経済的な混乱をもたらすと指摘。各国間における調整や迅速な情報交換、さらには明確な周知が重要とした。自国民に対する渡航に関する勧告については、特に感染者の国外への移動の防止につながるため、渡航先の最新の状況や医療機関へのアクセス方法なども含めて情報を提供すべきだ、とした。

また、入国時の措置については、到着時のPCR検査だけでは感染者の発見には約40%しか効果がなく不十分だが、PCR検査または抗原検査と合わせて検疫(入国後の自主隔離など)を実施した場合は、輸入症例の減少につながる傾向があるとした。ただし、入国者への検疫措置自体については、最近の調査から、感染者や死亡者の増加の抑止に効果的かは「非常に確実性が低いエビデンス」しかないとし、実施する場合には、リスク評価や現地の状況に基づくべきだとした。なお、検疫措置に関しては、欧州の旅行・観光業界は廃止を強く求めている(2020年9月24日記事参照)。

ECDCは、非医薬的措置は有効で、安全なワクチンが開発されない限り、感染対策として最も効果的な手段だと強調。加盟国による入国制限措置について、欧州委は9月4日、共通の基準を設けることを提案(2020年9月7日記事参照)しているが、こうしたECDCの分析によるガイドラインの発表を受けて、各加盟国の対応が注目される。

(注)ECDCが発表する欧州各国の最新の感染者数などは、ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(滝澤祥子)

(EU)

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