モハメッド6世国王、習近平国家主席と電話協議、新型コロナ対策で協力

(モロッコ、中国)

ラバト発

2020年09月03日

モロッコのモハメッド6世国王は8月31日、中国の習近平国家主席と電話協議を行った。モロッコ王室の声明によると、協議では政治的対話や経済協力、文化・人的交流を含む全ての分野における2国間関係の発展、また、新型コロナウイルスへの対策に向けた協力が焦点となった。

8月20日にモロッコ政府は中国のCNBG〔China National Biotec Group、中国生物技術:中国医薬集団(シノファーム)の傘下〕と新型コロナのワクチンに関わる2つの協定を締結した。この協定にはCNBGが開発するワクチンの臨床試験にモロッコが協力することが含められており、モロッコの報道では、何千人ものモロッコ人が被験者として志願しているとされている。首脳協議はコロナ禍でのモロッコへの医療機器やノウハウ提供の協力について、中国に感謝を伝える機会ともなった。

両国の関係では、モハメッド6世国王が2016年5月に北京を訪問して習国家主席と会談し、戦略的パートナーシップを締結した。以降、2016年6月には中国人を対象にモロッコ入国ビザの廃止、2020年1月にはロイヤル・エア・モロッコによるカサブランカ~北京間のフライト就航(2020年9月現在、運航停止中、2020年2月14日記事参照)、中国企業によるモロッコへの投資が続く(2019年7月5日記事2018年3月29日記事参照)など、関係が深まっている。

(石橋洋一郎)

(モロッコ、中国)

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