米アラバマ州のマツダ・トヨタ工場、8億3,000万ドルの先端技術追加投資

(米国)

アトランタ発

2020年08月18日

米国アラバマ州のケイ・アイビー知事は8月13日、現在同州ハンツビルに工場を建設中のマツダ・トヨタ・マニュファクチャリング(MTM)が追加投資を行うと発表した。MTMは新たに8億3,000万ドルの投資を行い、最先端生産技術を生産ラインに組み込むとともに、従業員の養成を強化する。今回の追加投資により、マツダ・トヨタ工場は総額約23億ドルの大型投資となる。

追加投資の詳細は明らかにされていないが、生産工程を強化するための生産ラインの変更やいまだ公表されていないトヨタのスポーツ用多目的車(SUV)のデザイン変更が含まれる。一方で、工場面積や年間30万台の生産能力、雇用数に変更は生じない見込みだ(「オートモーティブ・ニュース」紙電子版8月13日)。

同社は、2020年1月から新工場の生産部門の採用を開始しており(2020年1月17日記事参照)、既に約600人が採用されている。2020年の後半に採用申請の受付を再開し、最大4,000人の雇用を見込んでいる。

MTMバイスプレジデント(管理部門担当)のマーク・ブラジール氏は「州政府、地元パートナーの強力なサポートを得て、最高品質の生産工程を開発することができる」とアラバマ州への感謝を示した。また同氏は、新型コロナウイルスが工場建設と生産計画に影響を及ぼしている(2020年4月17日記事参照)ことを認めつつ、具体的な時期は明言しなかったものの、建設はスケジュールどおり進んでおり2021年には生産を開始する予定、と語った(「アラバマ・ドットコム」紙電子版8月13日)。

ケイ・アイビー知事は「マツダ・トヨタの生産工場への追加投資は、いまだかつてない経済変動が起こる中での、米国における製造業の未来とアラバマ州の経済リーダーとしての可能性を示している」と語った。グレッグ・キャンフィールド・アラバマ州商務長官も、地元経済への波及効果について、「マツダ・トヨタの革新的な連携は、企業のみならず北アラバマ地域において何世代にもわたって成長をもたらす」と述べた。

(石田励示)

(米国)

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