新型コロナウイルス拡大の影響で米アラバマ州のマツダ・トヨタ合弁工場の生産開始が遅れる見通し

(米国)

アトランタ発

2020年04月17日

新型コロナウイルス拡大の影響で、アラバマ州ハンツビルにて建設が進んでいるマツダ・トヨタ合弁工場における生産の開始が、当初予定の2021年初頭から同年後半へとずれ込む見通しであることが明らかになった(「オートモティブ・ニュース」4月13日)。

アラバマ州の自宅待機令などにより工事の進行に影響が出ていた。マツダ・トヨタマニュファクチャリングは地元政府機関に対して、新型コロナウイルスの拡大によって設備搬入の遅れや、労働力不足が生じ、建設工事が遅れている旨を伝えている。具体的な生産開始の時期は明示されていないが、現地メディアによると、生産の開始が少なくとも5カ月半遅れる見込みであることが報じられている。

なお、同工場では従業員4,000人の雇用と、マツダ、トヨタそれぞれの新型SUV年間15万台の生産が見込まれている。

アラバマ州の自動車メーカー各社において医療用品の製造や寄付が進む

アラバマ州では、ホンダ、ヒュンダイが工場の再開を5月4日、メルセデスベンツが4月20日に延期するなど自動車メーカーの工場閉鎖が依然として続いているが、一方で、各社は医療機関や地元コミュニティなどへの支援にも取り組んでいる。

ホンダは、工場の3Dプリンターを活用してフェイスシールドを製造し、地元医療法人に提供している他、オンライン授業の体制が無い地元学校に協力し5万枚の授業用資料の印刷を行った。

トヨタのエンジン工場では、地元医療機関向けにフェイスシールド7,500個を生産しているほか、安全眼鏡160個を寄付。また、慈善団体へ2万5,000ドルを寄付した。

メルセデスベンツの工場では、3Dプリンターを活用してフェイスシールドを1日に100~150個生産しているほか、殺菌して25回まで再利用可能なマスクも生産している。

ヒュンダイは、ドライブスルー検査場や小児専門の検査場を支援するためアラバマ大学に対して20万ドルを寄付した。また、モンゴメリーおよび周辺の郡において、韓国のシージーン(Seegene)が開発したリアルタイムPCR検査キット(COVID-19 RT-PCR)を1万個支給している。

アラバマ州のグレッグ・キャンフィールド州商務長官は、アラバマ州で約45社が個人用防護具の生産へのシフトを検討していると語っている。

(石田励示)

(米国)

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