日本の輸出管理措置に関するWTOパネルを設置

(韓国、日本)

ソウル発

2020年08月03日

韓国の産業通商資源部は、スイス・ジュネーブで7月29日(現地時間)に開かれたWTO紛争解決機関(DSB)において、日本の輸出管理運用の見直しに対する紛争処理小委員会(パネル)が設置された旨を発表した(2020年6月3日記事参照)。今回のパネルの設置後、パネリストの選定、意見書の提出、口頭審理などの訴訟手続きが本格的に進められる。

同部は、パネルの設置から最終判定(パネル報告書発出)まで原則10~13カ月を要するも、紛争の内容により短縮または遅延する可能性があると明かした。

これに関連し、大韓商工会議所(KOCHAM)は7月26日に、「日本の輸出規制から1年、産業界への影響と政策課題」と題する報告書を発表した。報告書では、日本企業との間で輸出入を行う韓国の製造業302社へのアンケート結果において、2019年四半期毎の素材部品関連の対日輸入の割合が、15.7%(第1四半期)→15.2%(第2四半期)→16.3%(第3四半期)→16.0%(第4四半期)と、2019年7月の輸出管理措置後でも小幅上昇したことが判明した。

一方、全体の対日輸入の割合は、9.8%(第1四半期)→9.5%(第2四半期)→9.5%(第3四半期)→9.0%(第4四半期)と減少し、影響は、素材部品ではなく、他の産業に及んでいるとした。

また、韓国政府の対応については、78%の企業が「適切だった」と回答し、最も有効であった施策について、42%の企業が「研究開発支援」を挙げ、続いて「サプライチェーンの安定化」(23%)、「規制の改善」(18%)などの回答が多かった。

(当間正明)

(韓国、日本)

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