駐日米国大使指名のワインスタイン氏、議会の公聴会で証言

(米国)

ニューヨーク発

2020年08月07日

米国議会上院外交委員会は8月5日、トランプ大統領から駐日大使の指名を受けたケネス・ワインスタイン氏(現ハドソン研究所長)を招き、指名承認に関する公聴会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開催した。ハドソン研究所はトランプ政権に助言を与える保守系シンクタンクで、ワインスタイン氏も米国通商代表部(USTR)向けの諮問委員会に所属するなど、政権の政策形成に影響を与えているとみられる(2020年3月16日記事参照)。

中国を念頭に、インド太平洋戦略を意識

ワインスタイン氏は冒頭、日米首脳の友好関係や頻繁なやり取りを経て、日米関係は極めて緊密だと証言した。日米同盟をインド太平洋における平和と安全、繁栄の礎と評価するとともに、大使就任後は北東アジアの課題に対応すべく、日本にさらなる責任の負担を求めると述べた。経済面では、2国間の包括的な貿易協定を目指すとし、またインド太平洋における経済協力を強化する方針を示した。

質疑応答では、ベン・カーディン上院議員(民主党、メリーランド州)からの、TPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)未加盟の米国にとって中国への対抗手段として日本は重要とのコメントに対し、ワインスタイン氏は、日米は防衛・経済分野に加え、エネルギー分野やデジタル貿易を含む政府一体での連携に取り組んでおり、大使としてこれを継続すると宣言した。

今回の証言について、戦略国際問題研究所(CSIS)のニコラス・セーチェーニ日本部副部長は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想と中国との戦略競争に言及があった点に注目したとする。同氏はジェトロのインタビューに対し、「FOIPにおけるエネルギー・インフラ開発での日米協力や、新興技術と重要なサプライチェーンを守る重要性に触れたことは、これらの課題が今後の日米対話を前進させる活力になる可能性を示唆している」と述べた。

公聴会に先立ち、米国商工会議所はワインスタイン氏の指名を支持する声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を出し、同氏は外交分野の卓越したキャリアや日本・アジア地域に対する見識を持つ大使にふさわしい人物とし、上院外交委員会に速やかな承認を求めている。前出のセーチェーニ副部長は、議会の夏季休会を加味すると承認手続きには一定の時間を要する、との見方を示した。

(藪恭兵)

(米国)

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