ペルー議会、マルトス首相信任決議案を賛成多数で承認
(ペルー)
リマ発
2020年08月17日
ペルー議会は8月11日、ウォルテル・マルトス首相による内閣信任決議案を賛成多数で承認した。マルトス首相は、演説の冒頭でペルーにおけるパンデミックについて、「過去50年間でペルー最大の社会的、経済的危機である」として、新内閣における第1目標はパンデミックとの闘いであると明言。その上で、議会に対して党派を超えた結束を呼び掛けた。
具体的には、全国で臨時隔離センター(CATS)を現行の91カ所から年内に466カ所まで増設すること、病床数を3,000床から1万8,500床まで拡充すること、ICUベッド数を2021年の内閣任期満了(7月28日)までに3,000床まで増設することや医療用酸素供給体制の拡充などを宣言した。また、ワクチンについても現在日本を含む9カ国の研究所と治験実施を含む契約の交渉中であることを明かした。
一方、経済面では小規模零細企業を対象とした企業支援基金(FAE-MYPE)の観光分野版(FAE-TURISMO)と農業分野版(FAE-AGRO)を発表し、より小規模零細企業への支援策を充実させた内容を提示した。
議会は、12時間に及ぶ審議の末、最終的に賛成115票、反対5票、棄権4票の賛成多数で内閣信任決議案を可決した。前回投票で多くの反対票と棄権票を投じた(2020年8月6日記事参照)アクシオン・ポプラール(人民行動:AP)党とアリアンサ・パラ・エル・プログレッソ(進化のための同盟:APP)党は、1人を除いて出席議員全員が賛成し、反対票を投じたのは左派フレンテ・アンプリオ(解放戦線:FA)党所属4人とウニオン・ポル・エル・ペルー(ペルーのための連合:UPP)党所属の1人のみとなった。
承認後、マルティン・ビスカラ大統領は自身のツイッターで、議会による承認を歓迎しつつ、あらためて全てペルー人に結束を呼び掛けた。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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