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米加州上級裁判所、ウーバーとリフトに運転手を従業員と扱うよう仮命令

(米国)

サンフランシスコ発

2020年08月18日

米国カリフォルニア州上級裁判所は8月10日、米ライドシェア企業のウーバー・テクノロジーズとリフトに対し、ドライバーを個人請負人として扱うことを禁じる暫定的な差し止め命令を出した。

カリフォルニア州のハビエル・ベセラ司法長官室とサンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴの各市は5月に、ウーバー・テクノロジーズとリフトが、ライドシェアサービスを提供する運転手を従業員ではなく個人請負人と分類したことが、2020年1月施行の「労働法などに関する改正法(雇用形態-従業員と独立請負人)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(AB5)に違反しているとして、訴訟を起こしていた。州産業関係局労働委員室も8月5日、両社がドライバーを個人請負人と分類していることに対し、ドライバーへの賃金補償を求める訴訟を州上級裁判所へ起こしている。

AB5は、自社のカリフォルニア州の労働者が3つの状況(注)を満たさない場合には、労働者を個人請負人ではなく、従業員として扱うことを求めている(2019年9月13日記事参照)。労働者が従業員扱いになることで、雇用主には雇用保険などの負担が生じることになる。

今回の暫定差し止め命令は10日間保留された後、有効となる。ウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は8月12日、現地メディアのインタビューで、「控訴するつもりだ。もし裁判所が今回の決定を変えなければ、われわれのビジネスモデルをすぐにフルタイムの雇用に切り替えるのは困難だ。そのため、(カリフォルニア州では)しばらくの間サービスを停止することになるだろう」と述べた。

個人請負人のようないわゆる「ギグワーカー」と呼ばれる労働者の働き方をめぐって、カリフォルニア州では、アプリリケーションを通じてライドシェアやデリバリーサービスに従事するドライバーが個人請負人として働くことを選ぶ権利を保護する提案(Proposition 22)が、11月に住民投票にかけられる予定だ。

同提案の目的には、ドライバーが働く時間や場所などを柔軟に選ぶ権利を保護することや、最低所得補償など労働者としての便益を提供するよう雇用主に求めることも含まれている。同提案を支持する団体「Yes on Proposition 22」は、同団体ウェブサイトのFAQで、「デリバリーサービスやライドシェアのプラットフォームは、新型コロナウイルス感染拡大で収入や仕事を失って苦しむカリフォルニア州民に、収入を得る機会を提供している。AB5は、ドライバーの働き方の柔軟性や独立性を排除する恐れがある」などと説明している。

(注)(A)業務に関する契約下および実際に業務の遂行中に雇用主体の指揮命令系統にない、(B)通常の雇用主体の事業の範囲外の業務を行う、(C)従事している業務と同じ性質の独立した貿易、職業、ビジネスに慣習的に従事している。

(石橋裕貴)

(米国)

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