飲食店の営業制限延長、影響への懸念広がる

(香港)

香港発

2020年08月05日

香港政府は8月3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施している防疫措置の延長を発表した。8月4日まで実施予定だった各措置(2020年7月29日記事8月4日記事参照)は8月11日まで1週間延長となる。

主な措置は以下のとおり。

(1)飲食業関連

  1. 午後6時~午前4時59分まで、店内における飲食の提供を停止。テークアウトやデリバリー営業は可。
  2. 店内の座席数は通常時の半分。1テーブルの着席数は2人まで。
  3. テーブル間は1.5メートル以上確保。
  4. バーは営業不可。
  5. 店内におけるライブ演奏やダンスは不可。入店者はマスクを着用、店側は入店者を検温し、消毒などを提供。

(2)その他施設:ゲームセンター、サウナ、健康センター、劇場、映画館、ネイルサロンなど美容関連店舗、カラオケ、麻雀店、プールなどは営業停止。

(3)屋内外の集合:公共の場における3人以上の集合は禁止。

(4)屋内外でのマスク着用:公共の場におけるマスク着用を義務付け。

多くの飲食店が今後2週間で倒産の危機に直面

香港餐飲聯業協会(香港レストラン業協会)の黄家和会長は、「7月以降、飲食店の営業制限措置が再び厳しくなり、7月の売上高は半分に減少している。政府の補助は従業員の賃金に対してのみで、コストの3割を占める賃料に対する店舗オーナーからの減額はない。オーナーや政府からの支援措置がなければ、2週間で多くの飲食店が倒産する可能性がある」とした(「信報」8月4日)。

立法会の張宇人議員(飲食業界選出)、邵家輝議員(卸小売業界選出)などは、賃料補助制度の立法化について建議している。張議員は、政府からはオーナーに対して賃料2カ月分の補助を支給、補助金を受給したオーナーにはテナントの飲食店に対しさらに追加で賃料2カ月分を免除することを要請、テナントが4カ月分の賃料免除を享受できるような制度を提案している(同)。

(渕田裕介)

(香港)

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