立法会選挙を1年延期

(香港)

香港発

2020年08月04日

香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は7月31日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、9月6日に投票を予定していた立法会(国会に相当)選挙を1年延期すると発表した。

林鄭長官は会見で、今回の延期決定は、今年1月以来の新型コロナウイルスをめぐる決断の中で最も難しかったが、感染拡大の阻止や市民の健康確保、また公平な状況下での選挙実施のため、必須のものだったと述べた。

決定に際しては、440万人に達する有権者の投票における感染リスク、公共の場での集合が2人までしか認められていないため街頭での選挙活動が実質不可能なこと、海外在住者は入境制限や強制検疫などにより実質的に投票ができない状況にあり、電子投票や郵送での投票も不可能であることなどを考慮したとしている。また、海外での選挙について、予定どおり実施した国・地域よりも、新型コロナウイルス感染拡大を理由として延期している国・地域が多いことも延期決定の理由の1つとして挙げた。

新たな投票日は2021年の9月5日を予定している。なお、香港基本法(憲法に相当)では、立法会議員の任期は4年とされており、1年間の空白期間が生じることになる。現議員の任期延長や次期議員の任期については、中国の全国人民代表大会(国会に相当)の常務委員会に判断を委ねるとしている。

公務員の在宅勤務期間は8月9日まで延長

香港政府は7月30日、8月2日までとしていた公務員の在宅勤務期間を8月9日まで延長すると発表した。また、7月29日から終日レストラン店内での飲食禁止措置を実施していたが(2020年7月29日記事参照)、飲食業界や屋外で食事をせざるを得ない労働者の反発を受けて、7月31日から午前5時~午後5時59分の店内飲食を認めると発表した。なお、午後6時以降の店内飲食は引き続き禁止となる。

(渕田裕介)

(香港)

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