店内での飲食禁止、集合は2人までに制限

(香港)

香港発

2020年07月29日

香港政府の張建宗(マシュー・チョン)政務長官は7月27日、緊急記者会見を開き、新型コロナウイルスについて、感染源不明症例の増加や複数のクラスター発生など感染リスクが高まっていることを受け、4点からなる一層の感染拡大防止策を発表した(これまでの防疫再強化措置は2020年7月20日記事参照)。7月29日から8月4日までの7日間、実施される。

また、張政務長官は市民に対して、できる限り自宅内で過ごし、人と人との接触および外食の機会を減らすよう、企業などの雇用主に対しては、既に大部分の職員を在宅勤務としている公務員にならい、従業員を在宅勤務とするよう呼び掛けた。

発表された感染防止策は以下のとおり。

  1. 店内飲食禁止:終日、飲食店内での飲食を禁止する。テークアウトやデリバリーは可能。ショッピングモール内のフードコートも対象となる。従前の夜間(午後6時~午前5時)のみの禁止から時間を拡大。
  2. 集合制限:公共の場での集合制限を4人から2人までに変更する。住宅同居者や交通手段の同乗者は対象外。
  3. マスク着用義務:屋内外の公共の場所におけるマスク着用を義務付ける。2歳未満の子供などは対象外。違反者は2,000香港ドル(約2万8,000円、1香港ドル=約14円)、最高5,000香港ドルの罰金となる。
  4. 営業停止施設追加:スポーツ施設とプールを営業停止施設に追加する。

7日間の営業禁止の損失は最大20億香港ドルと予測

香港餐飲聯業協会(香港レストラン業協会)の黄家和会長は、今回の7日間の飲食店内における飲食禁止措置により、業界全体の売上高は前年同期比で8割減、16億~20億香港ドルの損失になるとの見通しを示した(「明報」7月28日)。7,000店が営業時間の短縮や営業の一時停止に追い込まれており、政府に対して、8月中旬までに飲食店向けの資金援助を行うよう求めた(同)。

(渕田裕介)

(香港)

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