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政策金利を2.00%に引き下げ、再利下げの余地残す

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年08月07日

ブラジル中央銀行は8月5日、金融政策委員会(COPOM)を開催し、政策金利(SELIC)を2.25%から2.00%に0.25ポイント引き下げた。今回の利下げは2019年6月の6.5%から9回連続の利下げとなる。国内で新型コロナウイルス感染が広がる以前(2月時点:4.25%)から見ると、4回連続の利下げとなった。ブラジル中銀はインフレ目標値(注)を設定しているが、2.00%の水準は1999年以来、最低水準だ。2.00%は、インフレ目標値を下回るが、7月3日の中銀週次レポート「フォーカス」(金融機関への市場予測アンケート)による2020年消費者物価指数(IPCA)予測(1.63 %)を上回る水準となる。

COPOMは、会合後の声明で、「経済環境は引き続き強力な金融刺激策を必要としているが、財政の健全性と金融の安定性のために、新たな調整(利下げ)余地があるとすれば小規模にならざるを得ず、その実施は財政収支の行方とインフレ動向にかかっている」と発表。COPOMは「経済の持続的な回復には財政改革の継続が不可欠」との認識を示している。

2020年のGDP成長率は政府公式予測でマイナス4.7%、「フォーカス」による市場予測はマイナス5.66%となっている。9月に予定されているCOPOM会合以降、新たな利下げ判断材料となる2020年の公的部門の基礎的財政収支(推定)は、7月現在でGDP比11.3%の赤字に達している。新型コロナウイルス関連などの緊急経済対策費がGDP比7.3%の規模に達していることが巨額赤字の要因となっている。

市場関係者は、中銀が2021年の政府予算案とインフレの動向を見て慎重に利下げ可否を判断し、政府が予算支出上限枠(国庫支出前年実績+インフレ価値修正分)を超える支出を余儀なくされれば、「追加利下げは困難」との見方を示している。

今回の利下げに伴い、翌6日付の現地通貨レアルの対ドルレート(終値)は1ドル5.34レアルと前日比0.95%のレアル安となった。利下げは通常、海外との金利差が縮小し、外国投資家によるブラジルへの金融投資メリットが低下するためレアル売り圧力は強まるが、今回の利下げは、ある程度織り込み済だった(2020年6月19日記事参照)。今回のレアル安はブラジルの財政問題に言及したCOPOMの声明にも反応したとの見方が出ている。

(注)2020年の目標値は4.0%で許容範囲は上下1.5ポイント。

(大久保敦)

(ブラジル)

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