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米大統領、新型コロナウイルス追加対策の大統領令に署名、法案協議は継続見込み

(米国)

ニューヨーク発

2020年08月11日

トランプ米国大統領は8月8日、新型コロナウイルスの追加対策として、失業保険の追加給付を含む大統領令および大統領覚書に署名した。議会での追加対策法案の交渉停滞を受けたもの。民主党は内容を不十分と批判しており、包括的な法案の成立に向けて、与野党間の協議は継続する見込み。

連邦議会とトランプ政権は3月に成立した「CARES法」(2020年3月30日記事参照)に続く、失業保険の追加給付や学校の再開支援を含む追加対策法案に向けた協議を進めていた。トランプ氏は8月7日の会見で、同日中に協議に進展がない場合、大統領権限に基づく措置の発動を示唆していた。

大統領覚書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、CARES法に基づき7月末まで支給されていた失業保険の追加給付(週600ドル)は、週400ドルを保障する。国土安全保障省の災害支援基金を財源に、連邦政府が週300ドル分を負担し、州政府に100ドル分の負担を求める。8月1日で終わる週以降に週100ドル以上の失業保険の受給資格がある者が対象となる。米国の7月の失業率は10.2%と依然高水準で、恒常的な失業者は287万7,000人、一時解雇による失業者は922万5,000人に上り(2020年8月11日記事参照)、失業給付の増額措置の期限切れによる経済への影響が懸念されていた。

給与税については、9月から12月末にかけて、従業員側の支払義務を免除するよう財務長官に指示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2週間分の平均給与(税控除前)が4,000ドル未満の従業員が対象で、財務長官は今後、実施に関わるガイダンスを発出する。トランプ氏は署名に際し会見で、11月の大統領選に勝利した場合に給与税を恒久的に撤廃する意向を示している。

不動産の賃料支払いに関しては、保健福祉長官と米疾病予防管理センター(CDC)所長に一時的な立ち退き猶予措置が感染拡大防止に必要かを検討させるとともに、財務長官と住宅都市開発長官に対し、住宅ローンを含む賃料支払いが困難な借主に財政支援を行うための財源を特定するよう指示する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに署名した。CARES法による返済猶予が9月末に期限切れとなる学生ローンについては、教育長官に金利を含めて返済義務を2020年末まで一時停止するよう指示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

民主党のナンシー・ペロシ下院議長(カリフォルニア州)はトランプ大統領の措置について、「乏しく、貧弱で違憲」と批判している。同党のチャック・シューマー上院院内総務(ニューヨーク州)も8月10日の声明で、トランプ大統領の措置が学校の安全な再開支援や州・自治体への財政支援などを盛り込んでいないと指摘し、政権および共和党に協議再開を求めた。民主党は5月に3兆4,000億ドル相当のHEROES法案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(H.R.6800)を下院で可決させたのに対し、共和党は1兆ドル規模の法案を政権と調整するなど、両党の追加支援策の規模には隔たりがある。ケイリー・マクナニー大統領報道官は8月10日の会見で、トランプ大統領は学校支援や中小企業支援の必要性を認識していると述べ、民主党に協議での歩み寄りを求めた。

(藪恭兵)

(米国)

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