「ポストコロナ」に向けて、ベトナムの投資環境をオンラインセミナーで発信

(ベトナム)

ハノイ発

2020年07月16日

ジェトロとベトナム計画投資省は7月9日、オンラインセミナー「ポストコロナ世界で飛躍するベトナム経済」(注)を開催し、日本企業関係者など約700人が視聴した。新型コロナウイルス感染収束後、ベトナム政府が日本の投資家に向けて投資誘致セミナーを開催するのは初めて。

新型コロナウイルス感染収束後も投資先として魅力は顕在

計画投資省のブー・ダイ・タン副大臣は、国内で新型コロナウイルスの感染が収束状況にあり、2020年上半期のGDPがプラス成長(2020年7月9日記事参照)となった点に触れ、「ベトナムは安全で魅力的な投資先」だと主張した。6月の国会では改正投資法、改正企業法、PPP(官民連携)法を制定したほか、ビジネス環境の改善にも努めていると述べた。

進出日系企業として講演した東和インダストリアルベトナムの渡邉豊社長は、ベトナムはSARSや新型コロナウイルス対策の実績により、感染リスクの低い国として認知されており、新型コロナウイルス感染収束後はむしろ投資が加速すると予想。工員の採用がしやすいなど、地方進出の魅力についても言及した。

火力発電所を手掛けるギソン2パワー(丸紅ベトナム)の相良博英社長は、自身の経験から両国民の親和性に言及。ベトナムは政治面と経済面で存在感を増しており、日本と日本企業を発展させる国にもなり得ると述べた。

国際協力銀行(JBIC)ハノイ駐在員事務所の安居院徹首席駐在員は、PPP法の制定について敬意を表しつつ、長期で巨額のインフラ事業に外国投資を呼び込むためには、ベトナム政府によるサポートと柔軟な対応が必要だと指摘した。

入国制限緩和への要望集まる

ジェトロ・ハノイ事務所の中島丈雄所長は、アンケート調査によると、在ベトナム日系企業の9割が入国制限の早期緩和を希望していると説明。在ベトナム日本大使館の岡部大介公使は、人の往来の活性化が不可欠で、引き続き両国間で協議をしていくと述べた。ベトナム日本商工会議所(JCCI)の須藤一徳会頭は、入国制限の一段の緩和、インフラの整備、各種素材の中国依存の改善、申請から許認可までのフローの簡素化などを訴えた。

タン副大臣は、ベトナム国内の安全確保と経済成長を両立していかなければならないと強調。入国制限の緩和については、「定期航空便の早期再開に向けて努めたい」と述べるにとどめた。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

(注)セミナーの録画動画は、ジェトロ・ウェブサイトの該当ページでも期間限定で配信される予定。

(庄浩充)

(ベトナム)

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