広東省、輸出用製品の内販転換を全国に先駆けて支援

(中国)

広州発

2020年07月13日

国務院弁公庁は6月22日、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴い外需不振の影響を受ける輸出型企業を救済するため、「輸出用製品の内販転換支援に関する実施意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下「意見」)を公布した(2020年7月2日記事参照)。

加工貿易企業が集中している広東省では、全国に先駆けて輸出型企業の国内販売を支援してきた。加工貿易では、加工後の製品は原則輸出する必要があるが、税関の許可を取得し、原材料・部品の関税を追納すれば、国内販売に転じることが認められる。国内販売を促進するため、税関総署は4月14日、「加工貿易貨物の国内販売に関する延滞利息の暫定免除に関する公告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公布し、2020年4月15日~12月31日の間、内販に使われた保税輸入原材料に対する追納関税の延滞利息を免除する緩和措置を発表した。深セン税関によると、2020年4月の深セン市の貿易額は前年同月比9.6%増の2,493億9,000万元(約3兆7,409億円、1元=約15円)とプラスに転じた。1~4月の内販に転じた加工貿易貨物の販売額は41億2,000万元に達し、4月単月では前月比で5割以上増加した。

加えて、深セン税関は6月23日に「加工貿易の発展を支持、国内販売の便利化を促進する若干措置」とその解説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、加工貿易貨物の国内販売を申告する際、契約書やパッキングリスト、B/L(船荷証券)などの提出が不要となるほか、加工貿易貨物を輸出後、越境EC企業より保税で輸入して国内販売する方法などを発表した。

「意見」の第4条には、中国加工貿易製品博覧会や広州輸出入商品交易会(広州交易会)など、輸出企業向けのイベントに国内販売向けのバイヤーを招聘(しょうへい)するなど、内販ルートの拡大に向けた取り組みも記載されている。

5月13~16日に広東省東莞市でオンライン開催された第12回中国加工貿易製品博覧会は、加工貿易方式で生産された製品を国内販売に切り替えることを狙ったもので、加工貿易企業600社が出展し、サイト閲覧件数は2,600万回を超えた。また、6月15~24日にオンライン形式で開催された第127回広州交易会は約2万6,000社の企業と217カ国・地域からバイヤーが集まり、中国国内のバイヤーの参加も大幅に増えたという(2020年7月8日記事参照)。

(盧真)

(中国)

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