北京市、新型コロナの影響で最低賃金改定を見送り

(中国)

北京発

2020年07月27日

北京市人的資源・社会保障局は7月14日、2020年の最低賃金基準の改定を見送ると発表した。2019年7月1日より正社員(全日制労働者)に適用されている月額2,200元(約3万3,000円、1元=約15円)の現行基準が維持される。パートタイム労働者(非全日制労働者)の最低時給基準は2019年の24元(法定祝日・休日は56元)に据え置く。

2004年3月より施行された「最低賃金規定」は、最低賃金基準を少なくとも2年に1度調整するよう義務付けているが、北京市は金融危機の翌年(2009年)を除き、2019年まで毎年最低賃金基準の改定を行っていた(添付資料図参照)。市の担当者は最低賃金を改定しなかった理由について、新型コロナウイルスが社会や経済に与える影響を鑑み、企業が抱える困難と従業員の収入の安定の双方を考慮した結果だと説明した(「新京報」7月14日)。

人的資源・社会保障部が公表している中国各省・直轄市・自治区の最低賃金基準(2020年3月31日時点)をみると、北京市の最低賃金基準は上海市に次ぎ、深セン市と並ぶ水準となっている。

なお、天津市は3月6日に発表した「企業の操業再開支援、雇用促進に向けた若干の措置に関する通知」において、2020年は最低賃金基準(2,050元)の改定を行わないとしたほか、上海市も6月19日、新型コロナウイルスの影響を考慮して2020年は最低賃金(2,480元)を調整しないと発表している(2020年7月14日記事参照)

(張敏)

(中国)

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