カナダ・日本間で有機畜産物など対象に有機制度の相互認証に合意

(カナダ、日本)

トロント発

2020年07月17日

カナダ食品検査庁と日本の農林水産省はそれぞれ、有機畜産物などを対象に両国の有機制度の同等性を相互認証することで合意したと発表した(注1)。7月16日から、カナダの有機基準によって認証された有機畜産物や有機畜産物を原材料とする加工食品を日本へ輸出し、「有機」と表示することが可能になった。また、日本の有機JAS制度に基づき日本国内で生産、加工または包装され、格付けされた有機畜産物や有機畜産物加工食品なども、「organic」などと表示して、カナダへ輸出することができるようになった(注2)。カナダと日本は既に2015年1月から有機農産物などを対象に相互認証していたが、今回の合意により、畜産物がその対象に加わったことになる。

従来、日本・カナダ間で畜産物を有機畜産物として輸出する際には、相手国の有機制度〔日本:有機JAS制度、カナダ:カナダ有機制度(COR)〕による認証を取得する必要があったが、今回の合意により、輸出国の有機制度の認証を取得していれば、輸入国での有機制度の認証を再度受けることなく、相手国の表示制度に準拠して「有機」「organic」などと表示が可能となる。

米国オーガニック・トレード協会(OTA)によると、2017年時点のカナダの有機市場規模は日本(5億9,740万ドル)の倍以上の13億1,050万ドルと世界で7番目に大きく、今回の合意が日本からの有機畜産物の輸出増加に追い風になることが期待される。

(注1)カナダ食品検査庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび日本農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのプレスリリースを参照。

(注2)食品をカナダに輸出する場合には、2019年1月施行のカナダ食品安全規則(SFCR)を順守する必要がある。同規則では輸入者が食品安全予防管理計画(英語もしくはフランス語)を保持する必要があり、日本側事業者はカナダの輸入者向けに各種の書面の提出が求められることになるため、注意が必要(2018年6月19日記事参照)。詳細は、ジェトロのカナダ向け食品輸出に関する制度を参照。

(飯田洋子)

(カナダ、日本)

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