羊犠牲祭の祝日前に衛生緊急事態を段階的に緩和

(モロッコ)

ラバト発

2020年07月22日

モロッコ政府は7月31日~8月1日に予定される羊犠牲祭の祝日を前に7月19日、衛生緊急事態の段階的緩和を発表した。同日からモロッコ全土で以下の措置を実施している。

  • 観光宿泊施設の全客室の使用を可能とする。レストラン、プール、スポーツ設備などの共用エリアの定員は50%までとする。
  • 都市間および市内移動の公共交通機関については、特定の条件下で乗車定員を75%までとして運行を可能とする。
  • 20人未満の集会、アクティビティを可能とする。
  • 文化施設、図書館、博物館・美術館などについて、定員を50%までとして開放する。
  • 結婚式、葬儀といった催事の開催は引き続き禁止。映画館、公共プールは引き続き閉鎖。

同日にエル・オトマニ首相、アイト・タレブ保健相が記者会見を行い、新型コロナウイルスの感染拡大は脅威として残っていることから、羊犠牲祭の祝日期間においても、真に必要な場合にのみ旅行することを国民に求めた。

モロッコ政府は3月15日に国際旅客便の運航停止を発表していたが(2020年3月18日記事参照)、7月15日から在外モロッコ人およびモロッコに在留許可を持つ外国人の入国を可能とする特別措置を開始し(2020年7月14日記事参照)、7月19日時点で1万7,850人が帰国を果たしている。モロッコでは多くの在外モロッコ人が出稼ぎなどによる資金送金で国際収支に大きく貢献している。これら在外モロッコ人の帰国を実現しながら、衛生緊急事態の緩和も進めた格好だ。

(石橋洋一郎)

(モロッコ)

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