ドバイが「リアル」イベント開催で経済再開を強調

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年07月21日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ・ワールド・トレード・センター(DWTC)で7月16日、「AI Everything ×Restart Dubai外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」見本市・カンファレンスが開催された。同イベントは、来場者を会場に集める「リアル」形式で行われ、多くのビジネス関係者が参加した。ドバイでは新型コロナウイルス感染拡大以降、初めての集客型大規模イベントの開催となった(注)。

「AI Everything」は、人工知能(AI)の技術を集めた見本市で、3月にドバイで開催の予定だった。「コロナ禍」の影響で中止となっていたが、急きょ開催が決まり、当初参加予定だったAI技術を持つ企業を中心に20社弱がブースを構え、AIを搭載したチェス・ロボット、道案内ロボット、バスケットボールのゲームなどが展示された。

カンファレンスには、オマル・ビン・スルターン・アール・オラマ人工知能・デジタル経済・テレワーク担当国務相をはじめとしたUAE政府要人や、大手デベロッパーのエマール・プロパティーズ、ドバイ国際空港、エミレーツ航空、また小売業やホテル業などから、ドバイを代表する多くの財界要人が集結した。また、ドバイのハムダン・ビン・ムハンマド・アール・マクトゥーム皇太子も来場し、会場の様子を視察した〔7月16日付UAE国営エミレーツ通信社(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。オラマ人工知能・デジタル経済・テレワーク担当国務相は講演の中で、UAE政府としてAIを一層活用していくことを強調。また産業ごとに複数のパネル・ディスカッションが行われ、「コロナ禍」での影響や現状、AIの活用について話し合われた。

世界各地では経済再開の動きが見られているが、見本市など多くのイベントは「バーチャル」開催に移行しており、ドバイでも多くが延期または中止され、オンライン開催などに変更された。一方でドバイでは、7月7日から観光客の受け入れを再開するなど(2020年6月25日記事参照)、移動や経済活動への規制緩和を進めている。パネル・ディスカッションで講演した政府要人や企業経営幹部は、ドバイでは経済再開の準備ができているという点を共通して強調しており、この時期に「Restart Dubai」と銘打ち、「リアル」なイベントを開催することで、ドバイのビジネス再開を強く印象付けたい狙いがあったとみられる。

写真 カンファレンス会場の様子(ジェトロ撮影)

カンファレンス会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 展示ブースの様子(ジェトロ撮影)

展示ブースの様子(ジェトロ撮影)

(注)同イベントは、距離を置いた配席やマスク着用の義務など、必要な感染対策を講じた上で実施された。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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