盒馬鮮生(フーマー)が「酸素バッグ」による配送を開始

(中国)

上海発

2020年07月10日

盒馬鮮生(フーマー)は、果物や冷凍食品を含む生鮮品を30分以内で配送するサービスを2016年に開始して以降、生鮮品の配送に力を入れている。2020年6月から、「酸素バッグ」により、生きたまま水産物を配送するサービスを北京、上海、広州、深セン、杭州、武漢などで開始した。

中国社会科学院農村発展研究所所員の胡氷川研究員によれば、「生鮮EC市場の規模拡大とともに、消費者は市場と同じ鮮度の果物や水産品を生鮮ECで買いたいと考えるようになった。果物を配送する際の問題点は徐々に克服されつつあるが、水産品などの配送には依然として問題がある」という。

フーマーの関係者によると、フーマーが開発した酸素バッグはさまざまなテストや改良を経た3代目で酸素ボックスより小型で軽く、より低コストだ。「酸素バッグ」内の水と酸素の量は数千回にも及ぶ安全性試験を経て決定されており、バッグの圧搾や破裂を防ぎつつ、水産物の鮮度を保持したまま消費者に届けることを可能にしたという。データによれば、「酸素バッグ」使用後、消費者が購入した水産物に関する満足度は60%増加したという。

生鮮ECの市場規模が拡大するにつれ、消費者ニーズもレベルが高まり、さらなる市場規模の拡大にはさまざまな難題が待ち構えているが(2020年6月29日付地域・分析レポート参照)、フーマーのこうした取り組みは、消費者ニーズに応えるものとして注目されている。

(侯恩東)

(中国)

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