7月第4週の信号を発表、赤が3州増えて18州に

(メキシコ)

メキシコ発

2020年07月20日

連邦保健省は7月17日、7月20日~26日の週に適用される各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事参照)を発表した。全国32州のうち、18州が赤、14州がオレンジとなり、オレンジが3州減って赤が3州増えた。進出日系企業が多い州では、グアナファト州、ケレタロ州、ヌエボレオン州、サンルイスポトシ州、ハリスコ州、コアウイラ州、サカテカス州、タマウリパス州が赤、メキシコ市、アグアスカリエンテス州、メキシコ州、バハカリフォルニア州、チワワ州がオレンジとなっている。

7月第3週はバハカリフォルニア州、チアパス州、メキシコ州、シナロア州、ソノラ州、トラスカラ州が赤からオレンジに、反対に南バハカリフォルニア州、イダルゴ州、ハリスコ州、オアハカ州、ケレタロ州、キンタナロー州、サンルイスポトシ州、ユカタン州、サカテカス州がオレンジから赤に変わる。赤信号の場合、原則として「不可欠な活動」以外の操業が認められないが、具体的な措置は州政府が決定する。また、州政府によっては、連邦の信号の色を採用せず、独自に設定しているところもある(2020年6月8日記事参照)。

信号の色を決定する4指標のウエイトを変更

7月17日夕刻の記者会見では詳細が発表されなかったが、全国州知事会議(CONAGO)の議長を務めるサンルイスポトシ州のフアン・マヌエル・カレラス知事によると、信号の色を判断するための4指標(病床利用率、入院増加傾向、感染増加傾向、感染確定率)の持つウエイトが変更された。従来は病床利用率が50%のウエイトだったが30%に縮小、入院増加傾向と感染増加傾向がそれぞれ従来の20%から30%に、感染確定率は10%のウエイトで変更がない(「CNNエクスパンシオン」誌電子版7月17日)。

この変更に伴い、病床利用率は比較的低いものの、感染が増加傾向にある州が赤になりやすくなる。実際、ハリスコ州の病床利用率は州政府の発表によると7月17日午後1時時点で26.4%と相対的に低く、同指標の色は緑となるが、他の2指標のウエイトが上がってしまったために全体の色が赤に変わった。ハリスコ州のエンリケ・アルファロ知事は今回のウエイト変更を受け同氏のツイッターにおいて、連邦政府で新型コロナウイルス対策を指揮するウゴ・ロペス-ガテル次官への強い不満を表明した。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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