8月30日まで食品や必需品などの価格凍結を延長

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年07月14日

アルゼンチン政府は、7月1日付工業生産・開発省国内商業庁決議200/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、生活必需品の販売上限価格を統制する制度を8月30日まで延長した。

販売上限価格制度は、食料品をはじめとした生活必需品の一般消費者向け販売価格を、3月6日時点の店頭価格に据え置くことを義務付けるもの。同制度は、3月20日から政府が導入している、新型コロナウイルス感染拡大による公衆衛生上の緊急事態による外出禁止令の前日に開始しており、今回再び延長されることとなった(2020年5月21日記事参照)。

対象品目に変更はなく、全国のスーパーマーケットなどで販売されている2,300品目。また、同2,300品目の生産に関わる企業に対しては、工場の稼働率を最大にし、生産拡大を継続するよう義務付けている。

今回の政府発表に対し、生産者側は、政府の発表前に、「価格凍結を続けることが困難である」ことを訴えていた。企業側は、現地通貨ペソの切り下げによる影響のほか、事業再開に当たり衛生上のプロトコル(手順)の導入などによるコスト上昇のため、価格を平均15%引き上げる必要性を要請している。

6月22日付現地「ラナシオン」紙によれば、スーパーマーケット側では、「生産者が上限価格制度を順守せず、値上げを行っている」と訴えたほか、「政府の管理が行き届いていない卸売業者や中国人経営の小規模スーパーへの供給を優先している」との不満を主張している。

これに対し政府は、生産者側の主張を聞き入れるかたちで、政府が商業施設や生産者などと協定を結び、食料品をはじめとした生活必需品の価格を統制する制度である「プレシオス・クイダードス制度」(2020年1月15日記事参照)の対象である310品目の価格引き上げを検討中だとしている。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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