価格を統制するプレシオス・クイダードス制度を更新
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年01月15日
サンティアゴ・カフィエロ首相らアルゼンチン政府関係者は1月7日、記者会見を行い、プレシオス・クイダードス制度を更新し、310品目の選定と価格設定を行ったことを発表した。政府によると、選定された商品はこれまでと比較し、平均して8%価格が引き下げられており、消費の活性化につながることが期待される。
プレシオス・クイダードス制度は、政府が商業施設や生産者などと協定を結び、食料品をはじめとした生活必需品の価格を統制する制度で、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル政権時の2014年から開始された。2015年に発足したマウリシオ・マクリ政権でも継続され(2018年9月18日記事参照)、4カ月ごとに商品やその価格の更新が行われてきた。2019年には、1月(対象品目数566品目)、5月(543品目)、9月(553品目)に更新されている。
政府によると、今回は全国2,220拠点のスーパーマーケットと78社の生産業者の協力の下、消費者が日常的に購入するものを選定した、としている。また、ウェブサイトやアプリを用いて対象品目や対象となる購入先などを調べることも可能だ。今後の更新は、四半期ごとの予定。
同制度の効果について、1月8日付の現地紙「エル・クロニスタ」は、消費低迷が続く中で少なからず消費活性化に寄与するかもしれないとしているものの、50%を超えているインフレ率の抑制につながるかどうかについては懐疑的な見方を示している。
(紀井寿雄)
(アルゼンチン)
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