ドス・ボカス港製油所を6つのパッケージに分割し建設と発表

(メキシコ)

メキシコ発

2019年06月10日

メキシコのノルマ・ロシオ・ナレ・ガルシア・エネルギー相は6月2日、入札が不落となったドス・ボカス港製油所建設について(2019年5月10日記事参照)、6つのパッケージに分割し、6月下旬から随意契約で建設を開始すると公表した。タバスコ州パライソ市で行われたドス・ボカス港製油所プロジェクト記念式典で発表された。ナレ・エネルギー相は予定どおり3年以内の始動を目指すため、各パッケージは同時並行で建設作業を進めていくという考えも示した。6つのパッケージの内訳は以下のとおり。

  • 第1パッケージ:複合プラント、コーキング装置
  • 第2パッケージ:水素化脱硫設備(軽油、ガソリン、その他石油製品)
  • 第3パッケージ:接触分解装置、異性化装置(ブタン、ペンタン、ヘキサン)、硫黄回収装置、水素製造装置、アルキレーション装置
  • 第4パッケージ:フェノール廃水など処理装置、アミン処理装置、ガスプラント
  • 第5パッケージ:倉庫設備、製品管理
  • 第6パッケージ:各プラント建設、敷地利用の総合マネジメント

メキシコ石油公社(PEMEX)のオクタビオ・ロメロ・オロペサ総裁は、新製油所は1日当たり34万バレルの原油精製能力を持ち、17万バレルのガソリンと12万バレルの超低硫黄ディーゼルを精製すると説明し、雇用創出効果については、直接雇用で10万人が見込まれているという。

環境影響評価に疑問の声も

新精油所建設に関する環境影響評価について、ナレ・エネルギー相は環境影響報告書(MIA)を取得済みであり、着工環境が整っていると説明している。しかし、メキシコ環境権利センターは、MIAはドス・ボカス港の港湾管理会社(API)が以前に作成し承認を待った港湾のしゅんせつと拡大に対するものであり、製油所新設に関する許可は下りていないと主張している(「エル・エコノミスタ」紙電子版6月2日)。

(中井健太)

(メキシコ)

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