米イリノイ州は経済再開の第4段階へ、新型コロナウイルス感染状況が安定

(米国)

シカゴ発

2020年06月26日

米国イリノイ州のJ.B.プリツカー州知事は6月25日、翌26日からイリノイ州の経済再開計画(Restore Illinois)の第4段階に移行すると発表した。25日には州内で894人の新規感染者、41人の死者が報告されたが、同日に初めて3万人を超える検査を実施しており、新規感染者数自体は前日より増加したものの、感染状況は安定している、と分析されている。

プリツカー知事は6月25日の会見において、「他州では新型コロナウイルスに関する政策決定において、政争の介入や拙速な判断が行われるのをみてきた」と述べ、「こうした州の多くでは、現在、深刻な感染拡大、入院者の増加やICUの利用増加により、経済再開が後戻りせざる得ない状況となっている」と総括。最後に「イリノイ州はこのような状況にはない」と結んだ。

経済再開計画の第4段階では、レストランやバーの店内飲食の再開、フィットネスジム、映画館や劇場の再開または制限の緩和、50人までの集会などが可能となる。また、オフィスワークに関しても、自宅勤務の推奨は解かれることとなる(2020年5月11日記事参照)。

また、これまでシカゴ市は、経済再開に当たってイリノイ州より厳しい基準を設けていたが、新規感染者数が想定より下回ったことを受けて、ロリ・ライトフット市長は、イリノイ州の他地域と同時に第4段階に進むことを表明している。

第5段階への移行には時間

イリノイ州の経済再開計画の第5段階は最終段階とされており、ほとんどの制限が撤廃されるが、その移行に当たってはワクチンの開発などにより、一定期間新たな感染がない状況が必要で、当面、移行は見込み難い状況だ。

(藤本富士王)

(米国)

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