米ロサンゼルス郡、事業再開許可の対象拡大
(米国)
ロサンゼルス発
2020年06月17日
米国カリフォルニア州ロサンゼルス郡公衆衛生局は6月11日、自宅待機命令(Safer at home order)を更新し、これまでに再開を許可した分野(2020年5月15日記事参照)に追加するかたちで、幅広い分野のレクリエーション施設や事業の再開を12日以降に許可することを発表した。
事業再開に当たっては、州の再開規定に従って、従業員と顧客のフェースカバー(マスクなど)の着用義務や、6フィート(約1.8メートル)以上の物理的距離を保ち、できるだけ安全確保に努めるよう呼び掛けている。再開する事業の詳細は次のとおり。
新たに再開を許可した事業
ジム・フィットネス施設、プロフェッショナルスポーツ(無観客)、博物館、美術館・ギャラリー、動物園、水族館、キャンプ場、キャンピングカー専用滞在施設、野外レクリエーション施設、音楽制作、ホテル、観光、ロッジ、短期滞在用民泊施設、映画、テレビ制作など
再開を許可しない事業
居住地内施設以外の一般利用者向けのスパ・サウナ、バーおよびナイトクラブ、ボウリング場、映画館、コンサート会場、カジノ、イベント会場や遊園地などの娯楽施設、ネイルサロンなど
分野によっては業界団体が中心となって独自のガイドラインを作成しており、例えば、全米映画テレビ制作者同盟は映画製作の再開に先立ち、スタジオ入りの際の体温測定やマスクの常時着用、キャストやクルーを対象とした定期検査といった厳しい内容の対策を導入している。
同郡公衆衛生局はまた、6月12日付のニュースリリースで、市民が集会に参加する際に、自身や他の参加者がフェースカバーの着用や人との適切な距離の確保をできない場合、参加後、自宅で14日間の自主隔離することなどを促した。同ニュースリリースには直接的な表現は見当たらないが、5月25日にミネソタ州で起きた警察官による黒人男性の殺害事件以降、全米に広がった抗議活動への参加者を想定していると考えられる。
営業を再開したレストランでは、店内で食事をとる人々の姿が見られ始めるなど、ロサンゼルス郡の経済社会活動の再開は確実に前進している。一方で、再開や抗議集会を通じた感染の第2波を心配する声も少なくなく、州や地方政府にとっては難しいかじ取りが続いている。
なお、ロサンゼルス郡公衆衛生局は6月15日までの同郡の新型コロナウイルス感染者数を7万3,791人、死者数を2,926人と発表した。
(浅井康孝)
(米国)
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