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欧州委、EU域外国の補助金に関する白書を公表

(EU)

ブリュッセル発

2020年06月18日

欧州委員会は6月17日、外国補助金(注)に対しEU市場の公正な競争条件を確保するための政策案をまとめた白書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。同白書は、欧州委が3月10日に公表した「欧州新産業戦略」(2020年3月16日記事参照)の中で、2020年半ばまでに取りまとめると約束していたもの。

監視機関の設置に加え、企業買収、公共調達に対処するツールを用意

プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで欧州委は現状、EU加盟国による資金的援助にはEUの国家補助ルールが適用されるのに対し、外国補助金には、その市場歪曲(わいきょく)効果にもかかわらずEU域内での規制も、必要な国際ルールも存在していないと指摘した。その「規制の空白(regulatory gap)」を埋めるべく、同白書では以下3つの措置導入を提案している。

(1)外国補助金の域内市場への歪曲効果を審査するための監視機関の設置

欧州委または加盟国レベルの当局を想定する監視機関には、審査だけでなく、必要な救済措置を発動する権限が与えられる。

(2)一定規模以上のEU企業の買収(一定基準以上の株式シェア・議決権の取得を含む)時における、監視機関への資金的背景についての通報義務

買収企業の通報に基づき監視機関(欧州委を提案)は審査を行い、必要な救済措置の発動に加え、必要な場合には買収を禁止する。EUにおける企業買収は、EU競争法、とりわけ合併規則によって規律されるが、同白書によれば今回の提案に基づく審査は合併規則を補完するものであり、合併審査とは別に、並行して実施される。

(3)公共調達における外国補助金の悪影響に対処するメカニズムの導入

同メカニズムでは、外国補助金の効果による不当な安価での落札を防止するため、外国補助金を受給している場合、入札者には調達を実施する公共機関への通知を求める。調達機関および監視機関が外国補助金による不当な影響を認めた場合、入札者は当該調達で失格となるのみならず、将来の調達への参加を排除される可能性もあるとしている。

今後、白書で提示したこれらの措置に関し9月23日までパブリックコンサルテーション(公開諮問)を受け付ける。欧州委は2021年中の法案化を予定している。

(注)同白書の定義では、外国補助金(foreign subsidies)とは、EU域外国の政府や公的機関による資金面での貢献があり、法令上もしくは実質的に特定の企業また産業を対象にしたもの。資金や債務の移転を伴う措置(資本注入、給付、貸付、債務保証など)のほか、税額控除など公的な収入の放棄や免除、物品の購入やサービスの提供などが含まれる。また白書では、1事業者当たり3年間で20万ユーロの基準額に満たない外国補助金は対象外としている。

(安田啓)

(EU)

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