IMF、サブサハラ・アフリカの経済見通しを下方修正、2020年はマイナス3.2%に

(アフリカ、南アフリカ共和国、ナイジェリア、エチオピア、ケニア)

アディスアベバ発

2020年06月30日

IMFは6月29日、サブサハラ・アフリカ地域の実質GDP成長率見通しを改定した。2020年はマイナス3.2%と予測し、前回4月に発表したマイナス1.6%から1.6ポイント下方修正した(2020年4月17日記事参照)。国別では、IMFが定義する同地域45カ国のうち、37カ国が下方修正となった。

新しい予測では、地域経済で大きな割合を占めるナイジェリアが5.4%減(4月時点から2.0ポイント減)、南アフリカ共和国が8.0%減(同2.2ポイント減)、アンゴラが4.0%減(同2.6ポイント減)となった。これらの国が新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻るのは、2023年か2024年になるとみられている。

プラス成長は、南スーダン(4.7%)を筆頭に15カ国あり、この中にはエチオピア(1.9%)、コートジボワール(1.8%)、ガーナ(1.5%)、モザンビーク(1.4%)が含まれる。ケニアは4月時点でプラス成長(1.0%)を見込んでいたが、今回の見直しで0.3%減となった。プラス成長が見込まれる国でも、人口増加率を上回って1人当たりGDPが拡大するのは、南スーダンとエチオピアの2カ国のみとなる。地域全体では、1人当たりGDPは5.4%減となり、縮小の結果、約10年前の水準に戻るという。

今回の改定では、観光に大きく依存する国々が平均約5ポイントの引き下げとなっているほか、石油輸出国が平均2ポイント、他の一次産品輸出国が平均1.5ポイント、それぞれ下方修正されている。

IMFでは、地域経済の回復も緩やかになるとみており、2021年の予測値も4月時点の4.1%から3.4%へと引き下げられた。

(関隆夫)

(アフリカ、南アフリカ共和国、ナイジェリア、エチオピア、ケニア)

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