商湯科技、上海市でAI都市管理を試行

(中国)

上海発

2020年06月10日

人工知能(AI)と顔認識技術の研究・開発を手がける中国の商湯科技(センスタイム)は6月1日、上海市関連部門の支援を受け、長寧区江蘇路で「AI+ネットワークでの一元管理」を試行したと発表した。

「SenseFoundry」という商湯科技が独自に開発したビデオ分析プラットフォームに基づくもので、今回はごみの不法投棄やシェアバイクの不法駐輪などの都市問題解決のため、マルチシナリオのノンストップAI都市管理解決プログラムを構築した。区域内に設置したカメラ映像をAI技術で分析し、秒単位で問題点を洗い出し、関連部門に通知して対処するというプロセスだ。

従来の都市管理では、問題発見は管理者の継続的な巡回による人海戦術が一般的だったが、それが「人」と「機械」のインタラクティブな関係に変わりつつある。都市管理では自動検知や問題認識、スマート派遣、処置、自動検証、案件終了という自動化したクローズドループが既にできており、今後は交通ルール違反車両や道路冠水などさまざまな問題解決に応用する予定だ。これらの手段を利用することで、従来のプロセスを短縮し、人件費を削減することが可能となる。

上海市は2019年8月に世界人工知能大会を開催し(2019年9月9日記事参照)、5月には「上海市の新たなインフラ施設の建設を推進するための行動方案(2020~2022年)」(2020年5月18日記事参照)を発表するなど、AIと新型インフラ建設に積極的な姿勢を見せている。今回のセンスタイムの都市管理システム試行など、具体的な事例の導入も進みつつある。

(侯恩東)

(中国)

ビジネス短信 7dbe3461d6fb1327