米ロサンゼルス郡、営業再開後のレストランへの査察が活発化

(米国)

ロサンゼルス発

2020年06月24日

米国ロサンゼルス郡では5月29日から店内飲食の再開が許可され(2020年6月3日記事参照)、多くのレストランが部分的ながらも再開を始めている。しかし、報道によれば、6月13日の週末に、ロサンゼルス郡公衆衛生局(以下、保健当局)が約2,000軒のレストランに査察に訪れ、郡の店内飲食レストラン向けの再開ガイドラインを順守しているかの確認を行ったところ、約半数の店が順守できていなかったことが判明した(「ロサンゼルス・タイムズ」紙電子版6月15日)。ガイドラインに違反したレストランは、保健当局の再訪問を受ける(注1)。

実際に査察を受けたとの報告が、複数の日系レストランからジェトロに寄せられている。査察の内容は担当官によって多少開きがあるが、ガイドラインに従って社会的距離(6フィート:約1.8メートル)が保たれているか、フェイスシールドを着用しているか、ガイドラインが指定する再開計画フォームにサインをして店の入り口に掲示しているか、などの確認を受けている。同様式は、店内飲食レストラン向けPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)および社会的距離に関する注意事項PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の2種類がある。

また、指摘を受けた店舗の一部は、次回の査察までに改善されていない場合、閉店要請を受ける可能性を示唆された。なお、レストランの再開に当たって疑問点などがある場合は、保健当局へ電話、またはE-mailで問い合わせすることが可能だ。

ジェトロが保健当局に確認したところ、新型コロナウイルスの感染拡大対策が取られているかを確認する査察は、多くの店が営業をしていなかった3月末から、既に開始していたとのことだ。現在は営業再開をする店舗が多くなったため、査察も活発になり、週末を含めて毎日巡回を行っているとのことだ。現在、ガイドラインには違反時の罰金や罰則については明記がないが、今後変更される可能性もあるため、ガイドラインおよび保健当局の発表を注視することが必要だ(注2)。同様の査察は、ロサンゼルス郡に限らず全米で強化されることが予想されるため、全米の飲食店は、所在地のガイドラインを確認の上、対応する必要がある。

ジェトロでは、5月8日から北米の日本食レストランなど向けに相談窓口外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開設しており、再開に向けた準備、デジタルを活用したマーケティング、公的機関の支援策、法務労務関連などについての相談を無料で受け付けている。

(注1)各店の対応が不十分で感染リスクを感じた時は、来店客も保健当局のホットラインにクレームを出すことができる。

(注2)査察担当官を装った便乗詐欺が発生する可能性もあるため、査察を受けた場合には担当官のID提示を求めるなど、注意が必要だ。なお、査察時に違反が判明した場合でも、保健当局がその場で罰金の支払いを求めることはない。

(栗山藍)

(米国)

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