滞在登録手続きを外国人自身が電子申請可能に
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2020年06月25日
外国人のロシア滞在に必要な登録手続きを本人が電子申請できるようになる。関連連邦法(2020年6月8日付第182-FZ号)の公示日(6月8日)から90日後に発効する。
滞在登録とは外国人が1つの都市に7日労働日以上連続して滞在する場合に当該都市に到着後7日労働日以内に行わなくてはならない手続き(注1)。本手続きは外国人本人ではなく外国人の身元引受人による申請が義務付けられている。
今回の法改正の理由は、2018年7月8日に発効したルールにより、外国人の雇用者ではなく、当該外国人の居住する物件所有者による登録手続きのみ受け付けられるようになったことが影響しているものと考えられる(注2。J-Fileロシア「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」参照)。これにより身元引受人のロシア国籍者が外国に居住するため迅速に滞在登録を行えないといった事態が相次いだ。今回の法令改正によりこの状況が是正されるとともに、電子申請により手続きが簡素化される。
外国人本人が手続きを行う要件はa.居住している物件の所有者が外国に定住しているロシア国籍者もしくは外国人、あるいはロシア国外に所在している外国法人・機関であること、b.これらの物件所有者が当該外国人の居住に関する公証済みの合意書を作成していることの2点。手続き自体は郵送のほか、「統一国家・地方自治体サービスポータル」ウェブサイト(注3)による電子申請、もしくは国家・地方自治体サービスを提供する「多機能センター」に出向いて行うことが可能。
さらに、これまで外国人が居住する都市とは別の場所に宿泊を伴う国内旅行・出張に出かけ、ホテルを通じて滞在登録手続きが行われると、居住都市に戻ってきた際に再度滞在登録手続きをしなければならなかったが、今回の改正でこれが不要となる。
(注1)日本企業の現地駐在員が一般的に取得している高度熟練専門家(HQS)ステータスの場合は90労働日以内。ホテルに宿泊する場合は1労働日以内。
(注2)外国人が居住する物件を法人契約にし、契約書に物件所有者に代わり雇用者が滞在登録を行うという条項を記載すれば、雇用者が手続きを行える場合がある。
(注3)戸籍や住民登録、納税などを可能とする公共サービスの総合ポータルサイト。
(齋藤寛)
(ロシア)
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