トルドー・カナダ首相、テックカンファレンス「コリジョン」で高度外国人材の積極的な受け入れを表明

(カナダ)

トロント発

2020年06月30日

カナダのジャスティン・トルドー首相は6月25日、オンライン開催となった北米最大級のテックカンファレンス「コリジョン・フロム・ホーム」にゲストスピーカーとしてビデオ参加した。同首相は新型コロナウイルス感染者の早期発見にカナダのテクノロジーやアプリケーションが大きく貢献しており、カナダはこうした技術を支える高度外国人材を引き続き積極的に受け入れるとのメッセージを発信した。

同首相はビデオメッセージの冒頭で、カナダがこれまで行ってきた新型コロナウイルス感染拡大予防策や経済支援策について説明した後、カナダ国内で導入予定のスマートフォンのブルートゥース機能を使った感染者の接触追跡アプリについて紹介した。グーグルとアップルが開発したアプリに組み込むAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を基に、ショッピファイ(本社:オンタリオ州オタワ)がシステムのコードを構築し、ブラックベリー(本社:オンタリオ州ウォータールー)がセキュリティーを保証することで、カナダ国民がプライバシーの点で信頼できるツールを開発したと述べた。

米国が一部の非移民ビザ取得希望者の入国の一時停止を発表(2020年6月23日記事参照)する中、同首相は移民の受け入れについて、「カナダは移民、特に高い技術や専門性を有する移民を歓迎している。これは米国大統領と見解をやや異にするところだが、質の高い仕事をする質の高い人々を受け入れることで、より多くのカナダ人の雇用が生み出され、経済機会を創出し、有益な成長をもたらすと信じている」とコメントした。

コリジョンのトロントでの開催は2019年に引き続き2回目となるが、今回は新型コロナウイルス感染拡大を受け、3月にオンラインへの開催移行が決まった(2020年3月12日記事参照)。23~25日の3日間の開催期間に140カ国以上から3万2,000人以上(主催者発表)が参加し、日系スタートアップと海外のベンチャーキャピタルなどを結ぶジェトロの「オンライン海外プロジェクト」を通して参加が決まった日系スタートアップ10社PDFファイル(0.0B)を含め、日本からの参加も100社以上、200人近くに上った。

同カンファレンスは2022年までトロントでの開催が決まっており、次回2021年の開催は実際の会場を使ったイベントとして予定されている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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