カナダ・トロントの大型カンファレンスで新型コロナウイルス感染者、テック系イベントはオンライン開催や延期を決定

カナダ探鉱者開発者協会（Prospectors ＆ Developers Association of Canada、PDAC）は3月11日、3月2～3日にトロントで行われたPDACカンファレンス参加者に新型コロナウイルス感染者が見つかったと発表した。本カンファレンスは例年世界各国から天然資源関係者、投資家らが集うイベントで、トルドー首相らの政府要人を含め、2万3,144人が参加していた。トロント市公衆衛生局は、本カンファレンスを含め、大型集会への参加者は、参加後、38度以上の高熱や、咳、息苦しさなど、新型コロナウイルスの兆候が出ないか経過観察をするよう呼びかけている。カナダでは3月10日時点で93人の感染者が確認されている。

感染の広がりを受け、各種イベントの延期や開催形式の変更が相次いでいる。6月22日から25日にかけてトロントで開催が予定されていたテックカンファレンス「コリジョン」は、オンライン開催への移行が発表された。2020年は100カ国以上から1,600人以上の最高経営責任者（CEO）、3万人以上の参加者が見込まれていたが、同社が開発したアプリやツールを使って、スピーカーのプレゼンテーションやネットワーキングの機会をオンラインで提供する形に切り替えるという。

さらに、別のテックカンファレンス、「ビッグデータ＆AI・トロント」は、6月3、4日の開催予定を9月28、29日に延期することを発表した。

他方、4月15～17日にモントリオールで開催予定の食品見本市「シアル・カナダ」は、2万5,000人の来場が見込まれるが、3月11日時点では予定通り開催の方向であることを主催者が明らかにしている。ただし、当地の食品事業者によれば、卸売業者が顧客向けに行う商談会などは中止が相次いでいるといい、今後の事業への影響を懸念する声も聞かれる。

（飯田洋子）