5月の消費者物価指数上昇率は12.4%、2018年4月以来の高水準

(ナイジェリア)

ラゴス発

2020年06月29日

ナイジェリア国家統計局(NBS)が6月17日に発表した2020年5月の消費者物価指数(CPI、2009年11月=100)は322.2、同上昇率は前年同月比12.40%で、2018年4月以来の高い水準を記録した。食料品に限ると、CPIは358.6、上昇率は15.04%とさらに顕著だ。

NBSが6月18日に発表した食品物価ウォッチ(2020年5月分)によると、最も物価上昇率が高かった輸入米が前年同月比28.18%、次いで国産米が23.95%、ガリ(キャッサバ粉)が22.96%と続いており、特に主食への影響が大きい。新型コロナウイルスを抑え込むために行われたロックダウンや、4月下旬~5月下旬にかけてのラマダン(断食月)において、市場に食料品を供給するトレーダーが価格をつり上げたことが原因との見方がある。

さらに、現地通貨ナイラの為替レート下落(ナイラ安、2020年3月25日記事参照)、4月下旬から実施された輸入関税レートの切り下げ(2020年6月4日記事参照)が、輸入品の小売価格上昇に拍車をかけたとみられる。食料品に限った州別の物価上昇率(2020年5月)は、アブジャを含む連邦首都圏区(FCT)が最大で前年同月比18.13%、ラゴス州は15.54%だった。

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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