油価暴落で外貨準備が急減し通貨下落、新型コロナウイルスの影響

(ナイジェリア)

ラゴス発

2020年03月25日

新型コロナウイルス流行による原油価格暴落の影響を受け、産油国ナイジェリアの外貨準備高が361億4,000万ドルにまで減少し、通貨ナイラを買い支えられなくなったことから、2017年7月以来ほぼ1ドル当たり360ナイラで安定してきた為替レートが3月11日から下落を始めた。18日時点で並行市場でのドル売りレートは1ドル当たり375ナイラまで下落している。輸入代金決済のための外貨調達が困難になり、輸入品の値上げも今後予想される。外貨準備高は2019年6月11日時点では451億7,000万ドルあったが、それ以降一貫して下落を続けている。

2008年のリーマン・ショック不況のときの経済状況と比較すると、現在は脆弱(ぜいじゃく)だ(添付資料参照)。

ナイジェリアの新型コロナウイルス感染者数は、3月18日のナイジェリア疾病予防管理センター(NCDC)発表によると、8人。また、連邦政府官房長官が議長を務める新型コロナウイルス対策タスクフォースは同日、日本を含む13カ国(注)からの入国を3月20日から当面4週間、禁止すると発表した。感染者数が1,000人を超える国が禁止対象になっている。

(注)13カ国:中国、イタリア、イラン、韓国、スペイン、日本、フランス、ドイツ、米国、ノルウェー、英国、オランダ、スイス。

(西澤成世)

(ナイジェリア)

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