一時出国した外国人労働者の入国管理を強化

(韓国)

ソウル発

2020年05月11日

韓国の雇用労働部は5月4日、外国人労働者の入国管理を強化すると発表した。韓国では現在、非専門就業(E-9)ビザ(注)で就労する外国人労働者が休暇などで一時出国し韓国に再入国する際に、自宅隔離を義務付けているが、隔離措置に不適切な場所に居住する外国人労働者の事例があることに対応する。

現在、韓国では4月1日から海外からのすべての入国者を14日間隔離しているが(2020年3月31日記事参照)、今後、一時出国した外国人労働者に対し、韓国に再入国する前に現地(出国先)のEPS(Employment Permit System)センターで、韓国で隔離措置を実施する自宅を確認したことを示す「自宅隔離確認書」を発給する。EPSセンターはタイ、ベトナムなど送出国(計16カ国)に既に設置されており、5月6日から10日までの試行期間を経て、5月11日から本格的に施行される。

外国人労働者が確認書を所持していない場合、搭乗券の発券が制限される可能性があり、事前に確認書の発給を受けることができなかった場合は、韓国での入国審査の際、韓国産業人力公団の入国支援担当者が自宅隔離場所の適切性を確認する。同公団は、自宅隔離場所が不適切な場合、自治体の隔離施設などを案内するが、同意しない場合は適切な自宅隔離施設を労働者自身が確保することとした。

なお、雇用労働部は、自治体の隔離施設の収容能力不足などで施設利用が困難な場合に備え、外国人労働者専用の隔離施設を用意する予定であるとした。

(注)韓国語能力試験の成績や経歴など、外国人求職者の選抜基準に合致する能力を持ち、「外国人求職者名簿」に登録されている外国人のみが取得できるビザのことで、製造業(E-9-1)、建設業(E-9-2)、農業(E-9-3)、漁業(E-9-4)、サービス業(E-9-5)がある。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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