4月の航空機利用者数、前年同月比99%減

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年05月22日

アルゼンチン民間航空庁(ANAC)は11日、アルゼンチンにおける4月の航空機利用者数を発表した。国内線・国際線の利用者数は合わせて1万5,537人(前年同月比99.4%減)と1970年以降で最も低い数字になった。アルゼンチンでは、現時点で2020年8月末まで民間機の運航が規制されている(2020年5月7日記事参照)。

ANACの発表によると、国内線の利用者は3,429人(前年同月比99.8%減)、国際線の利用者は1万2,108人(99.0%減)。なお、1~4月期では、国内線の利用者数が前年同期比36.0%減、国際線が43.5%減となっている。航空機利用者が大幅に減少した理由は、3月16日から非居住者外国人に対する入国禁止措置がとられ、また、同月20日からは外出禁止令が敷かれたためだ。

政府は4月27日、全ての民間機の運航を8月末まで規制するとの政令を出したが、航空業界などから批判が起きており、政府当局と国際航空運送協会(IATA)が協議を継続している。5月15日付の現地紙「インフォバエ」によれば、IATA側から、運航禁止期間を6月末までに前倒しする提案を行ったところ、政府側からも「保健当局と協議する」との回答があった。運航再開前倒しの可能性もある。

国営航空会社のアルゼンチン航空は、傘下のアウストラル航空との合併に向けた手続きを開始したことを発表した(2020年5月11日記事参照)。5月18日付のブルームバーグによれば、格安航空会社(LCC)のフライボンディ航空は、運航再開後しばらくは国内線に専念して、便数を減らしながらも路線は維持させる意向だ。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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