民間機の運航を8月まで規制

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年05月07日

アルゼンチン政府は4月27日、民間航空庁(ANAC)決議144/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、8月31日までアルゼンチンを離発着する民間機の運航を禁止した。航空会社は、9月1日以降の航空定期便でなければフライトスケジュールを確定することができない。また、航空会社が販売できる国内離発着の航空券は、同じく9月1日からの運航便となる。

4月29日付現地紙「ラ・ナシオン」によれば、南米諸国では、国際線も含めた航空定期便が5月中をめどに順次再開される方向で検討されている。一方、アルゼンチンではそのタイミングが9月になったことにより、アルゼンチンに路線を持つ航空会社にとっては厳しい方針となった。国際航空運送協会(IATA)のピーター・セルダ米州担当副社長は、「世界中で9月まで民間機を飛ばさないと決定している国はない」と述べ、今回の方針が国内外の航空会社の経営や雇用に甚大な影響を与えることから、「一部の航空会社はアルゼンチン路線の再開そのものを躊躇するだろう」と述べた。

IATAとアルゼンチン政府との間では3月に入ってから協議が行われたものの、両者が納得する結論は得られなかった。4月27日付現地紙「エル・クロニスタ」によれば、IATAは今回の決定をうけて、複数のアルゼンチンの政府閣僚に対し書簡を送り、再考を要請した。

なお、在アルゼンチン日本大使館がホームページで提供する情報によれば(4月28日付)「各国政府などが関与する自国民帰還便など(特別便)の運航はANACの許可を得ることができれば、引き続き認められる見込み」としている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

ビジネス短信 7f522f4dc1da5a6f