マスクなど医療用品の輸出禁止を解除

(ロシア)

モスクワ発

2020年05月08日

ロシア政府は4月30日、3月2日に導入したマスクなど医療用品の輸出禁止措置(2020年3月6日記事参照)を解除した。導入当初、禁止措置の期限を6月1日までとしていたが、国内生産が拡大して製品が市場に出回るようになったため、早期の解除となった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報を発信するロシア政府コミュニケーション・センター(2020年4月1日記事参照)の発表によると、4月29日時点のマスク生産量は1日当たり905万枚(3月18日比470%増)、手指消毒剤は同37万9,000リットル(同728%増)、防護服は同11万着(同1,517%増)と1カ月余りで急増している。ECサイトやモスクワ市内の薬局、スーパーではマスクや消毒剤の販売が見られるようになった。5月5日から一部の地下鉄駅構内にある自動販売機でマスクの販売も始まった。

ロシアではCOVID-19拡大に未だ収束の兆しがなく、モスクワ市政府は外出禁止令を5月末まで延長した。他方、ロシアの大型連休明けの5月12日以降、企業活動の段階的な再開を進めつつあり(2020年5月8日記事参照)、新たな感染拡大防止策として、モスクワ市のセルゲイ・ソビャニン市長は5月7日、公共交通機関を利用する際や公共の場でのマスクと手袋の着用を義務化する考えを明らかにした(国営ニュース専門チャンネル「ロシア24」)。モスクワ州では、5月1日から外出時のマスク着用が勧奨されており、12日から着用が義務化される予定だ。

(浅元薫哉)

(ロシア)

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