バングラデシュ中銀、中堅・中小零細企業向け特別ローンの概要発表

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年05月18日

バングラデシュ中央銀行は4月13日、新型コロナウイルスに係る経済対策として、2,000億タカ(約2,600億円、1タカ=約1.3円)の中堅・中小零細企業向け運転資金ローン制度を発表した。主なポイントは以下のとおり。詳細は添付資料ジェトロ仮英訳参照。

(1)申し込み条件

  • 新型コロナウイルスにより売り上げなどへの影響を受けた中小零細・中堅企業で、これまでにローンの債務不履行や返済スケジュールの変更が3回以上ないこと。
  • 売り上げなどへの影響が大きい企業を優先する。当該ローンは、申込者が既に抱えている別のローンへの返済、新規事業やビジネスの拡充には充てられない。

(2)融資金額

  • 当該ローンを提供する各市中銀行は、2018年度に融資した中堅・中小企業向けローン全体の10%を上限として、運転資金目的での融資が可能。個々の銀行・受益者により融資可能金額は異なる。
  • 業種によって融資金額の算定方法が異なる。例えば、製造業やサービス業は運転資金の30%または過去3年の財務諸表上の営業費用の50%のうち低い方、貿易業や商業は過去3年の財務諸表上の年間平均売上高の25%を上限(金額では上限1,000万タカ)など。

(3)取扱期間

  • 本通達発出後3年以内。

(4)返済期限

  • 各受益者が当該ローンを組んでから1年以内。

(5)適用利率

  • 最大で9%。受益者は4%を負担し、5%は政府(中央銀行)が助成金として負担。

政府はこの特別ローン制度を即時発効としており、輸出型企業向け特別ローン制度(2020年4月13日記事参照)と同様、日系を含む外資系企業は利用対象外とする追加通達(2020年5月12日記事参照)などは現状発出していない。当地の香港上海銀行(HSBC)は、外資系企業からの本ローンの申請も順次受け付けているものの、同ファンドは2,000億タカと金額が限られているという。

(山田和則、安藤裕二)

(バングラデシュ)

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