運転資金調達のための親子ローンが期間限定で可能に

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年05月12日

バングラデシュ中央銀行は5月3日、外資企業が運転資金調達のために利用する親子ローンを、2020年9月30日まで期間限定で承認する旨の通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を出した。これまで同国では、設備投資に係る資金と操業3年以内の場合の運転資金のみに親子ローンの利用が認められていたが、期間限定ながら、この規制が緩和された。また、親子ローンを利用できるのは製造業に限定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)されていたが、今回の措置でサービス業も対象となった。

新型コロナウイルス感染の影響による自粛措置が講じられる中、これまで政府が打ち出した企業向けの金融支援策は、輸出型企業向け特別ローン制度(2020年4月13日記事参照)など、主に国内地場企業向けが中心で、多くの外資企業が現地当局の承認を得られず資金繰りに問題を抱えていた。今回の規制緩和措置により、多くの外資企業が親会社を通じた資金調達を行うことが可能となった。

親子ローンの利用目的は、輸出型企業向け特別ローン制度と同様、外資企業が雇用する全従業員への3カ月分の給与支払いを対象とする。従来の返済猶予期間は1年間だったが、今回の緩和措置により2年間の延長が認められた。

今回の規制緩和は、在バングラデシュ日本大使館、三菱UFJ銀行ダッカ駐在員事務所、ジェトロによる働きかけで実現した。この緩和措置により、現地に進出する日系企業に運転資金の調達手段が開けることとなった。

(安藤裕二、山田和則)

(バングラデシュ)

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