米サンフランシスコ市・郡、5月18日から必要不可欠でないビジネスも一部再開

(米国)

サンフランシスコ発

2020年05月20日

米国カリフォルニア州サンフランシスコ市・郡は5月17日、屋内退避令(2020年5月1日記事参照)の内容を一部変更し、5月18日午前10時から必要不可欠でない小売業の営業再開を制限付きで認めるなど新たな規制緩和を盛り込んで新たに命令を発令PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。小売業に関連する必要不可欠でない製造業や倉庫・物流業も再開が可能となった。今回の変更は、カリフォルニア州が4月28日に発表していた4段階の経済再開計画「再開へのロードマップ(Update on California’s Pandemic Roadmap)」の第2段階(低リスクなビジネス活動を再開)(2020年5月13日記事参照)への移行に当たる。

サンフランシスコ市・郡は新しい命令で、営業再開が認められる業種が順守すべき要件を示している。概要は次のとおり。

  • 小売りはカーブサイト・ピックアップ(注1)による営業のみ可能。客の入店は禁止。
  • 小売り店内の従業員は10人以下。ただし、従業員同士の距離を6フィート(約1.8メートル)保てない場合は、人数をより少なくする必要がある。
  • 小売り店舗は、店舗前の歩道や駐車場などの商品受け渡し場所に来店者が直接アクセスできなければならない。また、商品の受け渡し場所で通行者を妨げてはならず、通行者または車両の混雑を回避する。
  • ショッピングセンター内の小売り店舗は、再開不可(ただし、屋外の歩道や駐車場に直接アクセスできる場合を除く)。
  • 製造業、倉庫・物流業は、施設内の従業員数は50人以下にする。
  • 事業者はビジネス再開に当たり、命令に定められた社会的距離確保のための手順書や、郡公衆衛生局が別途定める業種ごとのベストプラクティス(注2)に取り組むための健康・安全計画を施設に掲載し、従業員に広く配布した上で、実行しなければならない。

カリフォルニア州のベイエリアでは、マリン郡や日系企業が多く進出するサンマテオ郡(注3)でも新しい屋内退避令が発令され、5月18日から一部経済活動の再開が可能となった。サンマテオ郡では、小売業や関連する製造業、倉庫・物流業などに加えて、オフィスの再開も認められた。ただし、出社できるのは在宅では遂行できない業務に従事している従業員に限られ、屋内での対面での商業活動はできない。また、社会的距離の確保やフェイスカバー着用命令に従う必要がある。

(注1)消費者がオンラインで注文した商品を実店舗の駐車場などで車から降りることなく受け取れるサービス。

(注2)サンフランシスコ市・郡のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。

(注3)ジェトロの「ベイエリア日系企業実態調査2018」によると、ベイエリアに所在する日系企業は913社で、そのうちサンマテオ郡には約2割(18.2%)が所在している。

(石橋裕貴)

(米国)

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