非常事態宣言を5月17日まで延長

(チェコ)

プラハ発

2020年05月01日

チェコ下院は4月28日、新型コロナウイルス対策に伴う非常事態宣言(3月12日発動)の2度目の延長を可決した。これにより期限は4月30日から5月17日まで延長された。

非常事態宣言の延長には下院の承認が必要だが、内閣は今回、5月25日までの延長を提議していた。これは、4月23日に内閣が修正した小売店の営業制限の緩和スケジュールで制限解除の最終段階が5月25日に設定していることを踏まえたもの(2020年4月28日記事参照)。非常事態宣言の有効期限は国境移動制限の適用期限でもある。

これに対して、野党側は、状況に応じて延期は何度でも票決することができるとして、1度に5月25日まで延期する理由はないと主張、最終的に17日までに延長期間が短縮された。

内閣は5月18日以降の対策について、さらなる非常事態宣言延長の可能性と、保健省に制限決定権を与えることも含め、早急に審議を行う予定だ。

一方、経済対策に関しては、内閣は4月27日、賃金補助プログラムの適用期間を3月分給与から4月分までの給与に拡大(申請期限を当初の4月30日から5月31日まで1カ月間延長)することを決定した。これは、政府の新型コロナ感染拡大防止策により営業が制限された企業の従業員を対象に、賃金の60%あるいは80%を国が補助する制度(2020年4月2日記事参照)。

企業の支援ニーズは非常に高く、労働・社会福祉省によると、4月6日の申請受け付け開始以後4月24日までの期間に4万2,731社が申請、うち91%が補助認定された。同期間中に1万7,896社の従業員17万9,900人分の賃金に対して、9億3,000万コルナ(約40億円、1コルナ=約4.3円)の補助金が支払われている。

ヤナ・マラーチョバー労働・社会福祉相は、同プログラムは3~6カ月間は継続すべきものと述べていることから、今後さらに延長される可能性もある。企業・産業界からは、最低6カ月間の継続を望む声が多い(2020年4月27日記事参照)。

(中川圭子)

(チェコ)

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