コロナ禍で1~4月の小売り・サービスは停滞
(ベトナム)
ハノイ発
2020年05月08日
ベトナム統計総局の4月29日付発表資料によると、2020年1~4月の小売り・サービス売上高(推定値)は前年同期比4.3%減の1,520兆ドン(約7兆円、1ドン=約0.0046円)だった。ベトナムの小売り・サービス売上高は10%以上の成長が10年以上続いているが、2020年に入り新型コロナウイルスの影響で停滞が続いている。
特に4月の小売り・サービス売上高は294兆ドン(約1兆3,500億円)で、前年同月比26.0%減、前月比20.5%減と落ち込んだ。内訳をみると、小売りは前年同月比15.3%減の257兆ドン、宿泊・飲食サービスは64.7%減の17兆ドン、観光サービスは97.5%減の880億ドンだった。ベトナム政府が全国で4月1日から、生活に必要な製品・サービス以外の店舗の営業停止を含む外出制限措置を実施したことが影響した。4月23日には制限措置の緩和が進んだが、その時点で娯楽施設、カラオケ、マッサージ、バー、ディスコなど不要不急のサービス業などは営業再開の対象に含まれなかった(2020年4月28日記事参照)。
観光サービスへの影響は深刻で、1~4月の売上高も前年同期比45.2%減の7兆8,660億ドンだった。ベトナムは、2019年の海外からの訪問客の半分以上を中国と韓国からの訪問客が占めていたが、2月1日から中国とのフライトを停止し、3月7日には韓国とのフライトを停止した。3月22日からは原則全ての外国人を対象に入国禁止にしており(2020年3月24日記事参照)、4月の海外からの訪問客数は推定で前年同月比98.2%減の2万6,241人、1~4月の累計でも前年同期比37.8%減の371万3,020人に停滞した。
ベトナムの感染者数は5月6日時点で271人(そのうち、死者0人、治癒232人)。4月17日以降の新規感染者は、帰国したベトナム人2人と特例措置で入国した外国人1人のみで、市中感染は発生していない。国内では外出制限緩和を受け、多くの経済活動が再開している一方、外国からの入国制限は継続している。
(庄浩充)
(ベトナム)
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