ベトナム政府、3月22日から全ての外国人の入国を停止

(ベトナム)

ハノイ発

2020年03月24日

ベトナム政府は、3月22日より全ての外国人の入国を停止する旨を決定した。外交または公用目的など、政府が認める特別な場合の入国者は適用外となるが、自宅での隔離が求められる。専門家、企業管理者、高技能労働者(注)についても適用外となるが、新型コロナウイルス感染の陰性証明書がない限り、3月18日より入国できない。陰性証明書は、在住国の権限のある機関が発行したものであり、かつ、ベトナムによって事前に承認を得たものでなければならない。事前承認に関する具体的な手続きは3月22日時点で発表されておらず、事実上ベトナムへの入国が極めて困難な状況だ。

この発表を受け、ベトナム航空は3月25日までに全ての国際線の運航を停止することを発表した。また、ベトナム政府は、外国の航空会社を含み、ベトナムに到着する国際線を随時制限する方針を示した。ベトナムを出発する外国人向けのフライトには配慮するとの言及もあったが、今後ベトナムを発着する国際線が制限される可能性がある。

ベトナム政府は今回の発表に先立ち、3月18日から外国人に対するビザ発給の30日間停止、3月21日から入国者全員の集団隔離実施など、入国制限を強化していた。日本に対するビザ免除措置も3月21日正午から停止となった。

在ベトナム日系企業の中には、入国制限のために日本人の技術者や管理者がベトナムに渡航できなくなり、操業に影響が出ているところが散見される。人事異動の多い時期でもあり、各社対応を迫られている。

ベトナムでは、欧米での感染拡大や入国制限強化の動きを受け、留学などから帰国するベトナム人が急増している。同時に、帰国者の感染発覚も増加しており、3月23日17時時点で感染者は121人(死者0人)となった。

(注)具体的な定義は発表されてない。

(庄浩充)

(ベトナム)

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