5段階でロックダウン規制を緩和へ、学校は秋に再開

(アイルランド)

ロンドン発

2020年05月08日

アイルランドのレオ・バラッカー首相は5月1日、5日を期限とした新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限や経済・社会活動などの制限措置について、段階的に緩和を進める計画(ロードマップ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。

これまで不要不急の外出禁止や食料品店など生活必需店舗を除く店舗の一時閉鎖などの措置が実施されていた(2020年4月1日記事参照)が、今回の発表により5月5日からは以下の2つが緩和、他の措置は18日まで適用を延長した。

  • 1日1回の適度な運動を目的とした外出時の範囲を、半径2キロから5キロに拡大。
  • これまで常時外出禁止としていた70歳以上の高齢者は、他の年代の国民と同様に他者との接触を避けた運動のためであれば、半径5キロ内の外出が可能に。

5月18日からは、計画に沿い5段階で行動制限が緩和される。各段階には3週間の間隔を設定。感染拡大の第2波のリスクを意識し、次の段階への移行は、各段階でウイルスを制御できている場合に限定。状況次第では、前の段階に戻る可能性もある。緩和実行には、国家公衆衛生緊急チームの助言が必要となる。

例えば5月18日の第1段階からは、建設・測量など屋外での作業、園芸店やホームセンター、ファーマーズマーケットなど一部の屋外店舗(人の密集を避ける対策を講じていることが条件)、駐車場、海水浴場、森林遊歩道などの施設、4人以下での運動、テニスコートなど屋外の運動施設などの再開を認める。そして最後の第5段階の緩和は8月10日からの予定で、全業種での就業とショッピングセンター、映画館、パブやナイトクラブなどの営業が可能になり、小学校以上の教育機関も秋の学期開始時期から通学再開となる。レストランの店内営業は、社会的距離の確保と徹底した衛生対策を条件に、6月29日からの第3段階で再開可能となる。

サイモン・ハリス保健相は5月2日、ロードマップについて「我々に希望を与えるもの」と表現。「公衆衛生の勧告に基づいてそれぞれが役割を果たさなければならない。それが成功につながる」と続け、国民に理解を求めた。

(杉田舞希、尾関康之)

(アイルランド)

ビジネス短信 b30db7ac43223182